「日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族」の感想

伴名 練(編集)「日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族」を読みました。

日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族|Amazon

なかなかおもしろかったです。

「日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙」を読んでから、1年以上経過したが、ようやく読了できた。

「日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙」の感想


あらすじと短評

中島らも「DECO-CHIN」

身体にファッションとしてのインプラントなどが行われる世界で、サブカル雑誌編集記者が怪物奇形バンドに出会う話。
内容的に受け入れがたいかと心配していたが、意外と読みやすく、よかった。

評価:意外とよかった

山本弘「怪奇フラクタル男」

数学者が、かつての教え子に呼び出されて訪ねると、彼の父がフラクタル状になっていた。

評価:まあ

田中哲弥「大阪ヌル計画」

人があふれかえる大阪の繁華街で通行人同士がぶつかっても大丈夫なように、神戸の衣料メーカーが新素材「ヌル」を開発して、解決しようとする話。

評価:まあまあ。最後があんまり

岡崎弘明「ぎゅうぎゅう」

人々が立って生活しなければならないくらいぎゅうぎゅうな世界での、主人公ミルと幼なじみのマミとの話。

評価:まあまあ。最後がそんなに

中田永一「地球に磔にされた男」

父の友人の遺した時間跳躍機構を使って、十年前に一瞬移動して現代に戻ることが可能になった主人公の話。
ちなみに、「中田永一」は「乙一」の別名義らしい。

評価:いいね

光波耀子「黄金珊瑚」

高校の実験室で、ケミカルガーデンの中で見つかった黄金色の珊瑚樹が、しだいに成長して街の人々を支配する話。

評価:いいとはおもう

津原泰水「ちまみれ家族」

流血するが回復も早い家族の話。
ちなみに、「テルミン嬢」を書いた人らしい。

津原泰水「テルミン嬢」|「2010年代SF傑作選1」の感想

評価:うーん

中原涼「笑う宇宙」

<妹>と<父>と<母>と「ぼく」とが、自分たちのいる密室内が宇宙と地球のどちらにあるのかについてもめて、徐々に精神的ににおいつめられる話。

評価:うーん

森岡浩之「A Boy Meets A Girl」

恒星間を飛翔できる翼をもつ異形の少年が、ある少女と出会う話。
ちなみに、「星界の紋章」シリーズの著者らしい。

評価:いいとおもう

谷口裕貴「貂の女伯爵、万年城を攻略す」

人間が奴隷状態にあり、かつての人間により知性を与えられた動物たちが、攻城戦をくりひろげる話。

評価:いいとはおもう

石黒達昌「雪女」

旧陸軍図書館から見つかった資料と当時看護婦見習いだった杉田の証言をもとに、昭和の北海道の診療所に配属された医師の柚木と、ある日昏睡状態で運び込まれた女性についての事実を知る話。

評価:すごくいい


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