「十角館の殺人」の感想
綾辻行人 (著)「十角館の殺人」を読みました。
十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫) |Amazon
まあまあおもしろかったです。
ただし期待していたよりは、アレっていう感じ。
若干のモヤモヤがあります。
それについては後で、書こうと思います。
本書を知ったきっかけは、奈須きのこ氏の昔のインタビューです。
「魔界転生」を知ったきっかけと同じですね。
それ以来、いつか読もうと思っていました。
ちなみに、登場人物たちがこぞってタバコを吸う描写にちょっと時代を感じました。
注意
以下には、ネタバレがありますやっぱり、例の「終盤近くの『一行』」について書いておきたい。
(ちなみに、本書を否定するような意図はありません)
「終盤近くの『一行』」が、私にあまり衝撃を与えなかった理由について。
- そもそも期待が高すぎた
 個人的には、「Ever17」ようなレベルの仕掛けや衝撃を期待していました。
 わかりやすく言語化すると、
 時間軸や人物認識のミスリードをミックスし、
 ユーザの作品体験すらギミックへ組み込んだ壮大な仕掛けに備えてすごく身構えていたら、
 そんなレベル感ではなかったなみたいな感じ。
- 海外のミステリ作家について知識がなかった
 本書を読み終わったあとに、ネットの解説を見ました。
 まとめると以下の通り。
 「江南(かわみなみ)のニックネームは『コナン・ドイル』
 →ということは、本名に近いミステリ作家の名前をつけているはず
 →ということは、守須(もりす)のニックネームは『モーリス・ルブラン』なはず
 →と読者に誤解させておいて、実は守須が『ヴァン・ダイン』だったのが衝撃」
 という感じ。
 
 「本名に近いミステリ作家の名前をつけているはず」という部分について。
 ミステリ研のニックネームは継承されるシステムだという記述があったので、
 読んでいる間もそう思いませんでしたし、
 解説を見ても納得できませんでした。
 「本名に近いミステリ作家の名前」を継承するのって、困難すぎるのでは。。。
 
 ミステリ好きな人ほどこのミスリードをしやすく、
 裏切られる衝撃を得られることは理解できます。
 しかし、私は海外ミステリ作家をほぼ知りません。
 なので、「守須のニックネームは『モーリス・ルブラン』なはず」とは、まったく思えなかったのです。
 結果、いわゆる予想を裏切られる衝撃を味わえませんでした。
中村千織の急性アルコール中毒について。
読み始めた当初はそうかーと納得できていました。
しかし、読みすすめるとポゥのような優秀な医者のたまごが居て、その様なことが起きるのか疑問に感じるようになりました。
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