「友だちのうちはどこ?」の感想
「友だちのうちはどこ?」を観ました。
公開:1987年(イラン)
上映時間:85分
監督:アッバス・キアロスタミ
おもしろくはなかったです。
いや、あるいみツッコミどころが多く、その点は楽しめました。
あと、イランの生活様式は興味深かったです。
イランのコケールの村に暮らす少年アハマッドが、次に宿題を忘れたら退学を宣告された友だちネマツァデくんのノートを間違えて持ち帰ってしまい、そのノートを返すために隣町へと奔走する。
本当にそれだけの話。
劇的なことが何も起きない点が、欠点でもあり素朴な良さでもある。
序盤から終盤にかけて、主人公アマハッドと無理解な大人たちの掛け合いが延々と続く。
同じセリフの繰り返しが2連続するシーンが頻発するので、観ていて思わずツッコミを入れてしまった。
よくよく考えると、明らかに意図的だと思うので、何度声を上げても聞き入れてもらえない社会や体制に対する批判なのかもしれない。
周囲の大人たちの無理解さ・自己中心的な考え・理不尽さ・昔ながらのしつけと称する暴力を、少年アハマッドの視点を通して描いていると思いました。
二階建ての家の高い土壁に挟まれた、ぼこぼこした細い坂道はまるで迷路のよう。
鶏や猫がひっきりなしに鳴き、細い道を牛やロバやヤギたちが通り抜ける。
当時のイランの生活様式をうかがい知ることができる。
迷路のような村や無理解大人たちは、当時のイラン社会に対する皮肉的な隠喩なのかしら。
古くからある木製のドアと新しい鉄製のドアの対比もあった。
開いているドア閉じているドアの対比も。
人や社会の「風通しの良さ」の暗示なのだろうか。
それとも、革命後の新しい社会に対して民衆が抱える戸惑いの暗示かしら。後者かも。
調べてみると当時はイラン革命(1978年-1979年)後の混乱期だったそうな。
言論統制もあったのかしら。
だからこそ「子どもの視点」+「暗喩・隠喩・メタファー」で作られた映画なのか、なるほど。
最後、友だちの分も宿題やり終えておいてノートを返して終わる。
多くの観客は、はじめからそうしておけばいいと思っていたことだろう。
わたしもそうだった。
それができない理由が描けていると、より良かった。