「博士と彼女のセオリー」の感想

「博士と彼女のセオリー」を観ました。
原題:The Theory of Everything
公開:2015年(イギリス)
上映時間:124分
原作:ジェーン・ホーキング『無限の宇宙 ホーキング博士とわたしの旅』

おもしろかったです。

理論物理学者のスティーブン・ホーキングの学生時代からの半生を、その妻ジェーンの視点で描く伝記映画。

良い点。

主演のエディ・レッドメインの演技がすごく良かった。

英国の雰囲気を感じた。
どこを切り取っても、イギリスっぽさがあっていい。

物理学と宗教との関わりについて触れている。
スティーブンが知的無神論者で、ジェーンが英国国教会の信者。
とくに海外の観客にとっては、関心の高い対比関係だと思う。

気になった点。

どこまでが事実なのか、純粋に気になる。
たとえば、妻の浮気について。
夫が劇場で昏睡状態になるシーンの手前で、浮気相手のジョナサンのテントに近寄るシーンがある。
テントで浮気します?バレバレでは?
でも描かれているということは、するのかぁ。

スティーブン視点が薄く、やや妻側の視点に寄っているように感じた。
スティーブン視点を期待して観る人もいるだろう。
どうやら、そもそも原作がジェーンの回顧録で、それを脚色したものらしい。
それならばしかたないかもしれない。
物理学と宗教の対比する視点があるのも、信者からの視点であれば納得。
改めて考えたら、スティーブン・ホーキング氏はALSの影響でそんな自伝は残せないか。

邦題が意訳で、原題からズレている。
良くも悪くも、鑑賞後の余韻に影響を与えてしまう。

上映時間がやや長い。